「子どもが言うことを聞かなくて、私が先に爆発してます!!」

小児科医ママ友ドクターゆみ先生からお手紙です。今回はどんなお悩みでしょうか。
ママ友ドクターゆみ先生(発達専門小児科医・西村佑美) 2026.05.23
誰でも

📮 ママ友ドクターからの手紙 ── Vol.03

「子どもが言うことを聞かなくて、私が先に爆発してしまいます」と悩むママへ

***

ゆみ先生へ

こんにちは。5歳年中、男の子のママです。

息子が言うことを聞いてくれなくて、毎日疲れ果てています。スーパーでお菓子を買ってもらえないとひっくり返って泣き叫ぶ、テレビを消すと暴れる、保育園から帰るなり気に入らないことがあると物を投げる……。

「癇癪はこれが正しい対応」と書いてある記事を読んで試してみるんですが、疲れ切った夕方に、冷静になんてできなくて。

気づいたら私が先に爆発してしまっているんです。

怒鳴った後、「ああ、またやってしまった」と落ち込む夜が続いています。子どもに怒鳴るママは最低だと分かっているのに、どうしても止まらない。

先生、私はどうしたらいいのでしょうか。

まきこ より

***

まきこさんへ

お手紙を読みました。

まず、最初に言わせてください!あなたは最低なんかじゃない。

毎日、子どものために一生懸命で、それでも疲れ果て夕方に爆発してしまう。

その後で自分を責めている…

その「責める気持ち」自体が、あなたがどれだけちゃんと「いい親」になろうとしているのかの証拠です。

少し聞いてもいいかしら?

もしかしたら、まきこさんが爆発してしまうのは、癇癪の対応を間違えているからではなくて、

「怒る」と「叱る」が混ざってしまっているからかもしれません。

「叱る」という字は、口へん ですよね。

叱るとは、口つまり言葉を使って相手に伝えるための行動。

つまり、子どものために冷静に大事なことを伝えることが「叱る」なんです。

では「怒る」は??漢字をよく見てください。下に「心」という字が入っている。

自分の心(感情)をぶつけて発散する行為…だと覚えてください。

怒るって、これは子どものためじゃなくて、自分の中にたまったものが溢れ出してしまっている状態なんです。

どっちが正しいか悪いかじゃない。

ただ、知っていて欲しいのは「怒る」という行動に出てしまうのは、あなたの感情が、心にしんどい何かが溜まって溜まって溢れるまで追い詰められているサインなんです。

毎日向き合っているまきこさんの中に、疲れがたまっているのは当たり前です。

「なんでわかってくれないの」

「何回言ったらわかるの」という気持ちが溜まりに溜まって、疲れも相まって溢れ出してしまう。

それはもう、人間として当然のことです。

でも、残念なことに「怒る」は、その親の伝えたいことはなかなか子どもには入っていかないんです。

怒鳴られた子どもは、「怖い」という感覚だけが残って、何を言われたかは、ほとんど届きません。

「ごめんなさい」と言うのも、反省したからじゃなくて、「怖いからとりあえず謝れば終わるらしい」と学んでしまって、その「ゴメンナサイ」を口に出していることが多い。

親が怒鳴るたびにそれが繰り返されて、反省の色がない!とますますエスカレートしていく悪循環になってしまう。

悩んでいる親御さんは本当に多いんです。

じゃあどうするか?というより、まず、一旦考えてほしいことがあります。

息子さんの困った行動、ワガママって、夕方に多くないですか?

保育園帰りって、子どもにとって一番へとへとな時間なんです。

朝からずっと気を張って、集団の中でがんばって、やっと家に帰ってきて…そこで「ちゃんとしなさい」と言われたら……うーん、やっぱり5歳の子どもなら、きっとすぐ崩れますよね。

疲れているのは、まきこさんだけじゃない。

ひとまず、お子さんをお迎えに行ったとき、、言葉よりも先にぎゅって抱きしめてみてください。

「おつかれさま」「おかえり~!」ってだけでいい。

それだけで、びっくりするほどその後の癇癪の頻度が少し変わることがあります。

「ママがわかってくれた」「見てくれた」という、ほっと安心の充電ができた子は、少し踏ん張れるんです。

できたら、ママも「ほっ」としてほしい。

理想は、帰宅後も5分でいいから一緒にゆっくりする時間を作る。

ご飯の用意、お風呂!ってあわただしくなる前に、ぜひ。

もしどうしても、まきこさんが爆発してしまったなら。

その後、落ち着いてから「さっきは怒鳴っちゃってごめんね」と言ってあげてください。

長い説明はいらない。

子どもにとって一番怖いのは、ママが怒鳴った事実じゃなくて、その後でもずっとママが怖い顔をしていて、自分を嫌いになることなんです。

「ママも失敗した。でも仲直りできた」という経験が、実は子どもの安心感を育てます。

「ママが見てくれた!」とは注目ほめ習慣すなわち「肯定的注目」の習慣でもあるんです。

ぜひ取り入れて欲しいです。

子どもの行動をナレーションする、だけ。目に入った行動をありのまま実況中継する、だけ。

詳しくは、私の本にも載せていますが、この簡単な習慣が、子どもの自己肯定感を育て、我慢する力をつけていきます。

この辺、また今度詳しく書きますね!

とにかく、「自分が嫌になる・・・」って落ち込んでいるのは、息子さんへの愛情がいっぱいあるからこそ、うまくその感情がコントロールできてない時だったりします。

声がけにはいろんなコツがあって、いつでも教えますね、ひとまず

だから、今日は少しだけ、自分をゆるしてあげてください。

ママ友ドクター ゆみ先生より

P.S.

次回も、私のもとへ届いたママ達の悩みに対してお返事を書く形で、

子育てに役立つコツ・話を届けていきます。

次回のお手紙は、「宿題をやらせるだけで毎日戦争です」というママに向けたお返事です!お楽しみに。

***

P.S2

今回は癇癪対応関連でした、この一つ前の「幼稚園行きたくない!」っていうお子さんのママへの手紙もさんこうになるはず、バックナンバーは以下のリンクから読んでね!

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